裸で触れ合って気づかず泣いていた苦い夢の朝明けみたいだ
幾つも嘘を隠し持って言葉は芝居みたいだから綺麗なふたりで終わろう
口移しに貰った煙草の味が管巻いて胸を殴った
網戸の向こう側で燃える火花が移ろいで無常を説いたわたし 君にとって何で幾夜の命水やり飽きて枯れた あの朝顔
全部良いけど特にと
祭りを横切ってはしゃいで駆けた道川面の反射 夏のエンディング
涼風が水髪撫でた焦げついた夢の残り香
浴衣を翻して八月の宙を泳いでゆく金魚みたいにわたし誰に似ていたの通りすがりでも縋りたい想いは隠さないと終わるのでしょう
今日着た浴衣はあの日も着た浴衣ですねえ君はみつけてくれますか?
自分用
君が笑う顔に隠したものが何だっていま会いたいの
あの日返せなかった小さな詩集は今だって部屋に残っているわたしまた他のひとの女になって誰かの目の奥の君に笑う夏至下り哉